さて、前回のブログで書いたように、とりあえずカメラを持って、鶴舞公園に撮影に出かけることを日々の習慣にしようと決意し、鈴木サキソフォンスクールのレッスンが比較的少ない、平日の午前中は、写真撮影の時間としました。
しかし、どうせ取り組むなら上達したい、美しいと思える写真を撮りたい、そのためにはどうしたらよいのか、はたと考え込んでしまいました。
セッティングを制限して撮り続ける!
私、鈴木学は、自慢じゃないですが、かなりどんくさい男です(笑)。今では仕事となっている、サックス(サクソフォン)、フルートを習得する際にも、人一倍苦労しました。カメラに関しても一応、その時点でカメラ本体の取説を熟読し、ネット情報を調べ、散々リサーチしたのですが、「絞り」、「シャッタースピード」、「感度」、「ホワイトバランス」・・、「何じゃそりゃあ~、そんなもんいっぺんにわからんわ~~」ということになりました・・泣。
まあ、一度に全てがマスターできるなんてはずもなく、まずは「初心に帰ろう」と、楽器、ジャズをマスターした頃を思い返してみると、まずは制限をかけた状態で取り組むのがよかろう、という事になりました。楽器の場合ならば、あれもこれもと手を広げるよりも、一時期課題を絞って、条件を絞って練習する方が、はるかに効果的であることは分かっていますから・・。
ちょうど同じころ、写真家の越野龍彦さんからも「条件を絞って撮るといいよ」と助言していただき(越野さんにはすごくお世話になっています。いつも的確な助言をいただき感謝しきりです)、ならばと「標準ズームレンズの望遠端(一番伸ばした状態)に固定して一か月撮り続ける」事に決めました。その頃に撮った写真がこれです。
しつこく繰り返す!
私の場合、ほとんど毎日のように鶴舞公園に出かけます。ここは大きい公園なのですが、それでも時期によって美味しい被写体はある程度絞られます。この時期は初秋だったので、芙蓉、酔芙蓉の花を中心に撮っていました。加えてレンズの画角を固定するというのが、今になって思うとすごく良かったと思います。
毎日、同じものを同じようなセッティングで撮り続けると、もっと美しく撮るために、いやでも細かく工夫したくなります。光の加減、花との距離、構図、等々、色々な写真の基礎が、何時の間にか自分の中に、意識づけられていきました。
視覚的感性、美意識の目覚め
そして、何よりも驚いたのが、自分の中に色、画像といったものに対する視覚的美意識が目覚めてくるのを感じたことです。正直なところ、自分自身、視覚的な部分に関しては全くセンスが無いと信じ込んでいました。繰り返しになりますがどんくさいですし・・汗。それでも毎日のように写真に取り組む中、わずか一、二か月で、自分の撮った写真に対して「こちらの方が色が美しい、構図のバランスが良い」とか判断するようになっていたのです。これには本当に驚きました。
それ以前、私は楽器演奏に関する自説として「センスのない人間はいない、使った経験が不足しているだけだ」と生徒さんに伝えていました。もちろん、それまでの音楽体験から、それが事実であることは確信していたのですが、奇しくも新たなジャンルに自分が挑むことで、自説の正しさを証明してしまいました(笑)。
「人間誰にでもセンスはある。たとえ中年になってからでも、粘り強く自らの感覚を用いていけば、誰でもセンスは覚醒する」のですね。そして、そのことにより人生が豊かになるのは間違いありません。
どんな年齢からでも、趣味、特に芸術的な趣味に取り組むことの意義がここにあると、私は固く信じています。皆さんも私と一緒に如何ですか?