私、鈴木学はサックス(サクソフォン)、クラリネット、フルート合わせて合計9種類の楽器を吹きますが、この中で最後に覚えたのは、フルート系です。元来、ジャズのバンドマンの世界では、サックス吹きがフルートに持ち換えて演奏することが当たり前に要求されますから、少しずつ練習はしていました。
音が出ない!
30歳前後、フルートの練習を始めた頃は、とにかく音を出すことに苦労しました。サックス、クラリネットの場合と同様、独学で練習していたのですが、とにかく音が出ないし、出せても安定しません。上手く吹けないというレベルではなく、本当に音が出るか出ないか?というざまで、とてもじゃないけど、人前には持ち出せないような状態が、丸々2年間続きました。
その間、もちろんただ手をこまねいていたはずもなく、先輩奏者にアドバイスをお願いしたり、フルート演奏に関する教則本や参考書を片っ端から集めて、徹底的に研究をつづけました。何か今の状況を打破するヒントが無いかと、必死になって練習を続けたのですが、とにかく日々一進一退、大して変わり映えしないまま、丸2年が経過していました。
ステージ上で楽器をマスターする!
2年間の試行錯誤の後、ついに根本的な問題点を発見しました。それは、どんな先生に訊いても、数多くの資料を読み込んでも、誰も指摘していないポイントでした。なぜならそれは、サックス吹きが後にフルートに取り組む場合にのみ、大きな障害となる可能性のある問題だったのです。フルートのみ演奏する先生に訊いても推測できるはずのない、サックス吹き特有の事情が、フルート演奏の妨げとなっていたのです!
もしも、このブログをご覧いただいている皆様の中で、サックス吹きの持ち替えとしてのフルート演奏に苦労している人がいたら、是非、私のレッスンを受講ください。1レッスンで必ず音が出るようにしてみせます!是非、お問い合わせください!
サックスからフルートの持ち替える際の、演奏上のコツをつかんでからは、上達は早かったです。ちょうどその頃、現在も共に鈴木サキソフォンスクールを運営し、共にステージにも上がっている家内、鈴木智香子と結婚し、ボサノババンドを始めたことが大きかったです。
ボサノバはフルートと好相性の音楽ですから、まだフルート演奏が頼りなかった頃(何とか一通りの音域が出せるくらいのレベルでした)でしたが、ボサノババンドではあえてサックスを封印しました。フルート一本でステージに立つことで退路を断ち、様々な楽曲の演奏に挑み、バンドの中で吹き続けることで、フルート演奏のレベルアップを図りました。このやり方は以前にクラリネットの例としてご紹介した方法と同様です。人前で演奏する事こそが、最高に効果的な練習なのです!
サックスの次のメイン楽器に!
それから数年で、気づけばサックスとほぼ同等の頻度で、フルートを使用するようになっていました。しかも、ボサノバ、ブラジル音楽の習熟と併せて、自分なりのフルート演奏の確立をもくろんだことで、ジャズフルーティストとしては、まあまあ個性的なプレイスタイルを身に着けることができたように思います。最近の演奏はこんな感じです。
今になって、フルートの音が出せなかった2年間の日々を振り返って思うのは、「とにかく諦めなくてよかった」の一言に尽きます。フルートをマスターしたことで得た、音楽的成果は実に大きかったです。サックス、クラリネット系のみの演奏では得られなかった、フルートの音色、音楽の世界のおかげで今の自分があると心から感じています。
このブログでは何度も白状していますが、私は実に「どんくさい」男です(笑)。それはフルートのマスターに2年もかかったことからも明白かと、我ながら思います。そして同時に「しつこい」ことにも自信があります。これまた2年間も諦めなかったことから、お察しいただけることでしょう。しかし、私はそのおかげで「どんくさい男でも、しつこく続ければ、いつの日か大きな成果が得られる」ことを身をもって知ることができました。
そのことが、今現在、日々レッスンを続ける原動力になっていると思います。「継続は力なり」、これを信じて日々生徒さんと向き合っているのです。・・というわけで今回はこの辺りにしておきたいと思います。続きは次回に・・。